ミュージカル『ファインディング・ネバーランド』——『ピーター・パン』が生まれるまでの物語、2027年1月の日生劇場から再演
10/17(土) 大阪 一般発売『ピーター・パン』を書いた人が、どうしてあの物語を書けたのか。
それを舞台にしたミュージカルが、来年1月から日本で2度目の上演になるの。
公式の惹句は「永遠の名作『ピーター・パン』誕生に秘められた物語が待望の再演!」よ。
今回の公演の話をする前に、まずは『ピーター・パン』と、書いた人の話をさせて頂戴。
ジェームズ・マシュー・バリーは、1860年5月9日、スコットランドのキリミュアに生まれたわ。
エディンバラ大学で学んで、新聞記者を経て1885年にロンドンへ出たの。
小説『The Little Minister』(1891)がベストセラーになって、1897年に劇化されてからは劇作に軸足を移したのよ。
兄のデイヴィッドは、14歳の誕生日の直前にスケートの事故で亡くなっているわ。
「永遠の子ども時代」という発想はそこから生まれたと考える人もいるの。
ただしこれは説で、ロンドンのグレート・オーモンド・ストリート病院(GOSH)も「そう信じる人もいる」という書き方をしているわ。
1897年、バリーはロンドンのケンジントン・ガーデンズで、アーサーとシルヴィアのルウェリン・デイヴィス夫妻と、その息子たちに出会って親しくなったわ。
母のシルヴィアは作家ジョージ・デュ・モーリエの娘よ。
息子は5人で、ジョージ、ジャック(ジョン)、ピーター、マイケル、ニコラス(ニコ)。
この少年たちが「ロスト・ボーイズ」のモデルだと広く考えられているけれど、これも説として書いておくわね。
父アーサーは1907年、母シルヴィアは1910年に亡くなって、そのあとバリーは息子たちの後見人になったの。
ピーター・パンが初めて活字になったのは、大人向けの小説『The Little White Bird』(1902)よ。
戯曲『Peter Pan, or The Boy Who Wouldn't Grow Up』は、1904年12月27日にロンドンのデューク・オブ・ヨーク劇場で開幕したわ。
初演のピーターは、劇作家ディオン・ブーシコーの娘、ニーナ・ブーシコー。
翌1905年にはモード・アダムス主演でブロードウェイでも上演されたの。
1906年に『The Little White Bird』のピーター・パンの章が『Peter Pan in Kensington Gardens』(挿絵アーサー・ラッカム)として本になって、小説『Peter and Wendy』は1911年10月18日に出たわ。
戯曲の台本は手直しを重ねたのち、1928年に『Peter Pan; or, The Boy Who Would Not Grow Up』として出版されたの。
ケンジントン・ガーデンズのピーター・パン像(ジョージ・フランプトン作)は、1912年のメーデーの朝に向けて、一晩でひそかに建てられたのよ。
バリーは1913年に准男爵、1922年にメリット勲章を受けているわ。
1929年、病院の新棟用地を買うための委員を頼まれて断ったバリーは、「別の方法で助けたい」と言って、2か月後に『ピーター・パン』の権利を病院に寄付したの。
バリーの意向で、病院は印税の額を公表していないわ。
英国では1988年の著作権法に特例が入って、通常の著作権の期限が過ぎたあとも、病院が『ピーター・パン』の印税を永続的に受け取る権利を得たの。
英国内の『ピーター・パン』の上演は、すべてGOSHのチャリティを支えているのよ。
バリーは1937年6月19日、ロンドン・メリルボーンの療養所で肺炎のため77歳で亡くなって、生まれたキリミュアに埋葬されたわ。
この「作家と一家の出会い」を舞台にしたのが、アメリカの劇作家アラン・ニーの戯曲『The Man Who Was Peter Pan』。
1998年3月、オフ・ブロードウェイの42nd Street Workshopで上演されたの。
ニーは、ブロードウェイ・ミュージカル『Little Women』(2005)の台本も書いた人よ。
この戯曲を原作にしたのが、2004年の映画『ネバーランド』(原題 Finding Neverland)。
監督はマーク・フォースター、脚本はデヴィッド・マギーで、配給はミラマックスよ。
バリーをジョニー・デップ、シルヴィア・ルウェリン・デイヴィスをケイト・ウィンスレットが演じて、ジュリー・クリスティ、ラダ・ミッチェル、ダスティン・ホフマンが出演したの。
映画の筋は1903年、新作『Little Mary』が不評だったバリーが、ケンジントン・ガーデンズで未亡人のシルヴィアと4人の息子に出会うところから始まるわ。
劇場主のチャールズ・フローマンは実在のプロデューサーで、映画では彼が『ピーター・パン』の上演を引き受けるの。
2004年9月4日にヴェネツィア国際映画祭で初上映、英国公開は10月29日、米国では11月12日に限定公開、12月17日に拡大公開。
日本公開は05年で、邦題は「ネバーランド」よ。
第77回アカデミー賞では7部門(作品・主演男優・脚色・美術・衣裳デザイン・編集・作曲)にノミネートされて、作曲賞をヤン・A・P・カチュマレクが受賞したわ。
ジョニー・デップとケイト・ウィンスレットは、英国アカデミー賞(BAFTA)の主演男優・主演女優にノミネートされたの。
ミュージカル版は、できあがるまでに作り直しがあったのよ。
2011年2月6日、カリフォルニアのラ・ホヤ・プレイハウスが上演を発表したの(台本アラン・ニー、作曲スコット・フランケル、作詞マイケル・コリー、演出・振付ロブ・アシュフォード)。
でもこの上演は行われなかったわ。
初期版の世界初演は2012年9月22日、英国レスターのカーヴ劇場。
演出はロブ・アシュフォード、バリー役はジュリアン・オヴェンデン、シルヴィア役はロザリー・クレイグよ。
2013年、プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのもとで作り直しになって、新しい台本をジェームズ・グラハム、楽曲をゲイリー・バーロウ&エリオット・ケネディ、演出をダイアン・パウルスが担ったの。
改訂版の初演は、マサチューセッツ州ケンブリッジのアメリカン・レパートリー・シアターで、2014年7月23日〜9月28日。
振付はミア・マイケルズよ。
その前の2014年6月8日、第68回トニー賞の授賞式では、ジェニファー・ハドソンが劇中歌「Neverland」を初披露しているわ。
ブロードウェイはラント=フォンテイン劇場で、プレビューが2015年3月15日、正式開幕が4月15日。
バリー役はマシュー・モリソン、フローマン役はケルシー・グラマー、シルヴィア役はローラ・ミシェル・ケリーだったの。
2015年6月23日に出たブロードウェイ・キャスト盤は、Billboardのキャスト・アルバム・チャートで1位よ。
トニー賞のノミネートはなくて、ドラマ・デスク賞でマシュー・モリソンらがノミネートされたわ。
ブロードウェイは2016年8月21日に565回で閉幕して、同じ年の10月7日からバッファローを皮切りに全米ツアーが始まったの。
日本の公式は「15年にブロードウェイで開幕し、「何年も心に残るであろう必見の舞台」と絶賛された人気作」と紹介しているわ。
日本初演は2023年、小山ゆうな演出・山崎育三郎主演で、「新演出版で上演」と紹介されたの。
東京は2023年5/15(月)〜6/5(月)の新国立劇場 中劇場で、上演時間は計2時間50分の予定だったわ。
そのあと大阪 6/9(金)〜12(月) 梅田芸術劇場メインホール、久留米 6/17(土)・18(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール、富山 6/24(土)・25(日) オーバード・ホール、名古屋 6/30(金)・7/1(土) 愛知県芸術劇場 大ホールを回ったの。
主催はフジテレビジョン/キョードー東京/ホリプロ、企画制作はホリプロ。
2023年公演はライブ録音盤のCDも出ているわ。
今回の2027年公演は「待望の再演」、つまり日本で2度目よ。
2023年と比べると、宮城が加わって、富山は無いの。
ここからが今回の公演よ。
正式名称はミュージカル『ファインディング・ネバーランド』。
東京公演の主催はフジテレビジョン/キョードー東京/ホリプロ、企画制作はホリプロ。
原作はデヴィッド・マギー脚本によるミラマックス映画作品と、アラン・ニーによる戯曲『The Man Who Was Peter Pan』。
台本はジェームズ・グラハム、作曲・作詞はゲイリー・バーロウ&エリオット・ケネディ。
翻訳・演出は小山ゆうな、訳詞は高橋亜子、音楽監督は小澤時史、振付は松田尚子よ。
美術 二村周作、照明 勝柴次朗、音響 山本浩一、映像 上田大樹、衣裳 十川ヒロコ、ヘアメイク 宮内宏明。
公式のあらすじはこうよ。
舞台はイギリス。
劇作家のジェームズ・バリは、新作の戯曲が書けずに行き詰まり、思い悩んでいたの。
公園でシルヴィアと4人の子ども、ジョージ、ジャック、ピーター、マイケルと出逢って、彼らと遊ぶうちに忘れかけていた「遊び心」と「想像力」を思い出し、『ピーター・パン』の物語を生み出していくわ。
当時のイギリスでは演劇は上流階級だけのもので、「子どもも楽しめるファンタジー作品を上演したい」と提案すると、劇場主のフローマンと劇団員たちは猛反対。
父を亡くしてから心を閉ざし、早く“大人”になろうとしていた三男のピーターは、バリとの交流で「夢や希望を捨てることが大人になることではない」と悟るの。
劇団員たちも「演劇」も「遊び」も同じ「PLAY」だと気づいていくわ。
一方で、妻メアリーに愛想をつかされ、シルヴィアの体調が悪化する。
そして迎えた『ピーター・パン』の公演初日——というのが公式のあらすじよ。
公式は「実話に基づくストーリー」と紹介しているけれど、史実とは違うところもあるの。
舞台では出会ったときにすでに父がいなくて子どもは4人だけれど、史実の出会いは1897年で、父アーサーは1907年まで存命、息子は5人(末のニコラスは1903年生まれ)。
『ピーター・パン』初演の1904年の時点でも、アーサーはまだ存命だったのよ。
実話に基づく、脚色のある物語として観てね。
キャストよ。
ジェームズ・バリは山崎育三郎。
シルヴィア・デイヴィスは濱田めぐみ、メアリー・バリは夢咲ねね、デュ・モーリエ夫人は杜けあきで、この3人は23年公演と同じ顔ぶれなの。
フック船長/チャールズ・フローマンは橋本さとしで、今回が初出演よ(23年は武田真治だったわ)。
キャナン卿は遠山裕介、クローマーは森山大輔、ヘンショーは廣田高志。
子役はWキャストで、ジョージが髙田龍成/瀧上颯太、ジャックが古澤利音/渡邉隼人、ピーターが下永龍正/深澤 統、マイケルが船橋碧士/古川夏輝。
スウィングは齋藤千夏、宮村大輔。
アンサンブルは家塚敦子、石川 剛、伊藤かの子、大久保芽依、木村朱李、塩川ちひろ、聖司朗、永松 樹、福島玖宇也、ルイス魅麗セーラ、渡辺崇人(五十音順)よ。
山崎育三郎のコメントを公式から写すわね。
「大人になる過程でいつの間にか置き忘れてしまった「信じる力」や「想像する心」を、もう一度そっと手渡してくれる作品だと思っています。」
会場と日程は5都市。
東京は2027年1/8(金)〜30(土)の日生劇場で、上演時間は約3時間(休憩あり、変更の可能性あり)。
宮城は2/5(金)〜7(日)の東京エレクトロンホール宮城 大ホールで、主催は仙台放送/(公財)宮城県文化振興財団、仙台放送開局65周年記念の公演よ。
開演は2/5(金)18:00、2/6(土)12:30・17:30、2/7(日)12:00。
大阪は2/11(木祝)〜15(月)の梅田芸術劇場 メインホールで、主催は梅田芸術劇場。
愛知は2/19(金)〜21(日)の愛知県芸術劇場 大ホールで、主催は東海テレビ放送。
開演は2/19(金)18:00、2/20(土)12:30・17:30、2/21(日)12:30で、開場は各開演の1時間前よ。
福岡は2/26(金)〜28(日)の久留米シティプラザ ザ・グランドホールで、主催はインプレサリオ、共催は久留米シティプラザ(久留米市)。
未就学児は入場できないわ(東京)。
今週の発売は大阪よ。
大阪の一般発売日は10/17(土)。
梅田芸術劇場のページに時刻は書かれていなくて、ぴあの表示では10:00だから、発売の時刻はOSHINAVIでチェックして。
その直前まで、梅田芸術劇場ネット会員先行の先着が10/7(水)10:00〜10/16(金)23:59で受付中なの。
ぴあでは、大阪の一般発売直前プリセール(2/11〜15公演)と、ぴあ半館貸切公演(2/13公演)のプリセールが10/16(金)23:59まで。
愛知は、東海テレビチケットセンターのWEB先着先行が10/18(日)23:59まで、プレイガイド先行は10/5(月)〜10/18(日)、ぴあのプリセールも10/18(日)23:59まで。
福岡は、ぴあのプリセールが10/10(土)10:00から始まっているわ。
先行はどれも会員などの条件付きだから、一般発売と同じには並べないでね。
東京の一般発売(9/25)と宮城の一般販売(9/25)はもう始まっていて、東京のU-25(25歳以下当日引換券)は10/18(日)10:00から。
福岡の一般発売は11/7(土)10:00からで、愛知の一般発売はぴあの表示で10/24 10:00よ。
料金は都市ごとに違うから、都市ごとに書くわね(全席指定・税込)。
東京は、昼の回と初日がSS席18,000円/S席16,000円/A席11,000円、夜の回がSS席17,000円/S席15,000円/A席10,000円。
Yシート(20歳以下当日引換券)2,000円はホリプロステージのみで、U-25(25歳以下当日引換券)は7,500円よ。
宮城はS席16,000円/A席12,000円。
大阪は土日祝がS席17,000円/A席11,000円/B席6,500円、平日がS席16,000円/A席10,000円/B席6,000円。
愛知はS席16,000円/A席12,000円/B席9,000円。
福岡はS席15,400円/A席9,900円で、U-25当日引換券が5,500円なの。
公園で子どもたちと遊ぶうちに『ピーター・パン』が生まれていく物語を、今週は大阪のぶんから申し込めるわ。